新必殺技(限定)

桜の咲き始めから花冷えがはじまったようだ。それでも、咲き始めた花の数は、毎日増えていく。おだやかな天気だけど風は冷たい。

今日は、顔をみるなり、なんとなくやる気満々のイメージが伝わって来た。車椅子に乗りたいような顔をしているから「車椅子乗るの?」と訊いてみた。そうしたら、なんと、はっきりと頷いた。

ウン、、、じゃなくて、ウ〜ンッというイメージのスピードで、確実に、はっきりと「頷いた」のだ。これはびっくり。この動きは、始めての動きなのです。

今までも、ブログ上では「頷いた」と書くことは多くあったけど、かつての「頷き」は、アゴを上にむかって、ひょいとかすかに動かす動きで、首の後側の肩のあたりの筋肉を収縮させる動きで生まれる運動のことを指していた。ところが「今日の頷き」は、そのまったく逆。ぼくらの一般的な頷きの形で、アゴを引いて頭を前に少し倒すようなイメージの運動だった。

そーか、ぼくの顔を見るなり、やる気満々の気持ちが伝わってきたのは、これだったんだな。この動きを披露しようと待ち構えていたのだろう。

うわぁ〜すごいね、それ、もう一度やって。「ウ〜ンッ!」 Oh Yah〜、も一回やって。「ウ〜ンッ!」イェー。これ、すげぇわかりやすいじゃん。これで、もうYes , No は確実に伝わるね!

そこに、看護士さんが来たので、ぼくはすぐに「今日、新しい動きができるようになりました」と自慢して、頷きを見せることにした。看護士さんは「やって、やって、西嶋さん、やってみて!」と言ったので、ぼくは、胸をはって威張った態度で眺めていた。

。。。。。

あれ?

。。。。

あー。3回限定だった。。。。
そうか、最近、ビジネスでも流行っている「限定」だったんだ。。。そりゃ、事前告知しておかないとわかんないよ。普通なら、クレームもんだぜ。

。。。。

あの、、、3回限定だったようです。
あら、限定だったんですね!
ハイ。またのご来店をお待ちしています。。。。

人生、楽ありゃ、苦もあるさ。
そう思った通りにゃいかないものさ。

しかし、だいたい3年に1度くらいのペースで新必殺技を繰り出してくる妻は、まだまだ、先へと進んでいる。そして、新しい技は、必ず最初は1〜2回しかできない。それでも、密かにやっている自主トレーニングを繰り返し、その回数は増えていく。

この「頷き」は、確実になれば、大きな切り札になる。
自主トレよろしく。

そんなわけで、今日は、ご褒美に、花をたくさん見に行こう。
近くの幼稚園の入り口の、コブシと雪柳、そして子供達の声。
子供達の元気な声は、妻にエネルギーを注ぎ込んでくれているだろう。


新必殺技(限定)」への3件のフィードバック

  1. 吉川 和子 きっかわかずこ

    初めてコメントさせて頂きます。
    カッコちゃんのブログで、読ませて頂いていました。
    私も旦那が倒れた三年前に初めてアトピーになりました。
    さっき、読ませて頂いておんなじだぁ〜と。
    脳幹出血で、一時間と言われてから四年目を迎える事かできました。
    心の中で思っていても上手く言えない事を、そうなの!そういう気持ちなの!と読みながら拍手しています。
    今では目を開けていて、好きな海外ドラマ、メンタリストを観るのが楽しみのようです。

    たまに指を動かしたり、最近は口をパクパクうごかしたり、会話は瞼でしてます。

    病院は本厚木駅近くの病院で、が綺麗な公園が直ぐ側ですが今年はお花見、見送りでした。
    熱がでて抗生剤を打ったので、下がっても様子を見たいからとの理由でした。
    満開の日々、熱がない中、何日も許可が降りずに散ってしまいました。
    お散歩に行くまでが、許可が降りるまでが至難のワザ。
    なので、当たり前の様にお散歩に行かれる様子は、夢の様に感じます。
    普段は、身近にお世話をして下さる看護師さんの中には、なんでも分かっているよねぇ〜と、言ってくれたりする方もいますが、先生の所見の欄には一言、植物人間と大きな字で。

    療養型でリハビリはナシ。
    マッサージを週に四回位、行けるときにわたしがするだけです。
    月に一度整体の方に来てもらっています。
    病院には内緒にですが。
    地域連携の方に聞いても、脳幹で半年すぎたらリハビリしてくれる所は無いと言われて。

    マグロと自分の事を言って人が、穏やかな顔で澄んだ瞳を向けてくれると、泣きそうになったりしますが、一日は一日なので、楽しい話をしたり良いとこ探しをしたりしています。

    長々と書いてしまいました。

    ブログを読むのをたのしみにしています。
    ありがとうございます。

    吉川和子

    返信
    1. t.nishijima 投稿作成者

      コメントありがとうございます。
      お医者さんも人間ですから、いろいろなタイプがいますが、Locked in syndorome については、どうも医学的に証明しずらく、植物状態(遷延性意識障害)ということで、決着をつけておいたほうが、医者の立場としては無難なのだそうです。しかし、わかっているけど、アウトプットが出来ない状態かもしれないし、わかっていないかもしれない、、、という両方の可能性があるのだとしたら、わかっている可能性もあるということくらい、認めればいいのになって思います。だいたいの、お医者さんや、看護師さんは、両方の可能性があるのに、わかっていない、と勝手に決めつけてしまっている方が多い=想像力がとぼしいと感じていました。それは、毎日の仕事の中で、そこまで想像力をもちながらやっていけるかというと、毎日の実務がハードだから、振り返っていられないという現実もあるのだろうと思います。

      マッサージは大切です。私は、無知だったので、妻の足を尖足にしてしまいました。テレビも観れる状態のようですし、楽しみはどんどん増えていくといいですね。私も、まさか、お出かけすることができる日がくるなんて夢にも思っていませんでしたが、やってみたら、以外と簡単でした。人は考えたことしか出来ないわけですが、考えちゃったら出来る、、、ということが多くあるものだなって思いました。今度の日曜日には、コンサートに行きます。まさかと思うことが、やってみると以外と簡単でした。車椅子に乗ると、また楽しさの範囲がひろがります。ぜひ、病院のスタッフと相談しながら、あきらめずに、丁寧に根気よく希望を伝えていけば、たどり着ける日がくると思います。いそがず、あせらず、ゆっくりと、根気よく。ぼくはエジソンの「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。」って言葉が大好きです。必ず道はあると信じています。

      返信
      1. 吉川 和子 きっかわかずこ

        おはようございます。

        お返事ありがとうございます。
        わたしも、そのエジソンの言葉は大好きです!
        丁寧に根気よく希望を伝えて行く事は、本当に大事な事ですね。

        お花見に行けなかったので車椅子に乗せてあげたいと、言ってみたのですが、抗生剤を打ったのでまだ
        だめです、と言われました。
        がっかりしないで、
        ゴールデンウィーク辺りに外出許可を取って家に連れて行く事を楽しみにしようと思います。
        初めてなので、本人はとっても楽しみのようです。
        瞼を高速回転の様にパチパチします。
        家に居るのは多分30分位になるとおもいますが。

        ぐだぐだ寝てばかりいる日曜日のお父さんの様に見えて、思わず、働いてくれない?と言いたくなる位
        私にとっては普通に見えるのですが、病院では常に大事を取るという使命があるんですね。

        置かれている立場が違うので、その辺りを理解しながら、諦めないで希望を伝えていこう〜と改めておもいました。

        日曜日のコンサート、楽しみですね!
        お天気にもきっと恵まれますね。

        温かいメッセージ、本当にありがとうございました。

        返信

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