月別アーカイブ: 2017年8月

「ただいま」「行ってきます」

妻はいま、家に帰っています。こうやって、同じ屋根の下にくらすのは、7年半ぶりになります。「ただいま」と「行ってきます」を顔をみながらいうのも、ひさしぶりです。

妻は、最後まで、ぼくのスケジュールをきにかけてくれたようです。先週9日に病院であったのが生前最後となりました。10日は、親戚がやってきて、その夜は、NYからの友人のパーティで、11日は大阪へ移動、12日大阪で森川美穂さんのライブ、13日名古屋でライブ、14日に東京にもどりました。ぼくのもどりをまってくれて、15日、ぼくが唯一動ける日に旅立ちました。そのまま妻はひさしぶりの自宅に帰って来ました。

昨日は、妻の誕生日でした。そしてぼくは森川さんのレコーディングでした。次男が妻をまもり、今日もこれからレコーディングですので、長男が来て妻をまもります。そして、明日、お通夜、明後日葬儀と、めちゃくちゃタイトなスケジュールをすべて針の穴に糸を通すように、うまく、やってくれました。

そういえば結婚式の前夜まで、レコーディングしてたのが、今、レコーディングしている森川美穂さんでした。結婚前夜の深夜、、、当日、までレコーディングして、そして、今回も見送り前夜まで森川さんのレコーディングです。なんだか、不思議な気持ちです。

きっとこうやって、妻もこのレコーディングを応援してくれているのだろうと思います。11月15日に発売されるこのアルバムのタイトルは「Be Free」です。11月25日に原宿で行われる、このアルバムのリリース記念コンサートに、妻をつれてこようと計画していましたが、もうすでにあの不自由な体からぬけだし、いまはまさに自由になったことでしょう。きっと今日のレコーディング現場や、そしてライブも見に来てくれることでしょう。

妻が倒れた時も、因幡晃さん、白井貴子さん、下成佐登子さんとのレコーディングにたすけられました。こうして、音楽とともにいることで、ぼくも精神のバランスがとれるという感覚があります。そのことを、きっと妻も知っているのでしょう。

他界したあとのスケジュールまで、こんなに気をつかうとは、なんだか笑っちゃいます。「ベッドサイド」という曲の歌詞にも書きましたが、いつもまわりに気遣い、自分のことはまたもや後回しです。なんだか、最後の最後まで妻らしいです。

倒れてからも、先に旅立たれました奥沢病院の松村院長はじめ、白雪姫プロジェクトのかっこちゃん、国学院大学の柴田先生ご夫妻、守本さんご夫妻、、、、、と、とても、たくさんの友人と知り合い、多くの方々に見守られながら、7年以上も生活できたこと、支えてくださった方々に心から感謝いたします。

土曜日の夕方には、空にとんでいきますので見送ってください。
ありがとうございました。

バイバイ、またね。

いつも、ベッドからはなれるとき、言っていた言葉だ。

今は、目の前にいるけど、まさかこんなに早くバイバイを言われるとは思わなかった。静かで、穏やかな表情をしている。お世話になった数人の人に連絡をした。みんなびっくりしていた。ぼくだって、びっくりだ。でも、この7年間のLocked in 状態からは解放され、たぶん、ぼくの頭の上あたりから眺めながら、飲み過ぎるなよと注意しているだろう。あるいは、それうまそうだなって思っているのかもしれない。

「またね」・・・が実現する可能性があるのは、それはぼくがそっちに行く時だろう。そう考えれば、それはそれで 「その時」 を楽しみにしながら、もう少しこっちにいるさ。これは、なかなかいいアイデアで、こっちの世界も楽しいし、あっちに行くのも楽しみということになる。なるほど、この考え方はいい。

だから、やっぱり 「バイバイ、またね」 と言っておこう。

このブログは、どのくらい書いたのだろう? 下成さんに紹介してもらって、かっこちゃんの講演会に行って、白雪姫プロジェクトと出会って、ブログを書くことになって、、、、たしか、会社をやめてからだから、もう5年くらい書いてきたのかな。

映画でもなんでも、エンディングっていうのがある。
人生もそうなんだってことくらい知っているけど、けっこう急にきたりする。映画はもっと、そろそろ終わりかな?ってわかったりするものだけど、現実はそうではない。そろそろ、このブログもエンディングを迎えることになったようです。妻の回復期・・・というテーマで書いてきたけど、彼女がちょっと違う道を選びまして旅立ちました。まだ、エンドロールまではいっていないけど、さまざまな思いと、メロディーが流れ始めました。

倒れたときに書いた言葉を、因幡さんに歌ってもらった「ベッドサイド」
白井さんに歌ってもらった「夢の雫」
あきらめないと宣言をして、下成さんに歌ってもらった「ぼくたちのルール」

この精神は、ずっと、これからも、ここにある。
まだしばらく、こっちにいるけど、今度は、ぼくが追いかけよう。
必ずそっちにはいけるから、急ぐ必要はない。ゆっくりと、ゆっくりと、そのうち追いつくさ。

ありがとう。バイバイ、またね。

継続は力なり

今日も体温は37.5° その中でも、最初の挨拶だけはくれる。しかし、それからあまり目はあかない。たまに薄目をあけたりするが、すぶにまた閉じる。毎日、この体温では体力が消耗されてあたりまえだろう。しかし、こればかりは、誰がわるいわけでもない。天気もわるくないだろう。もし悪いとすれば、人類が、自分が心地よくあるために、温暖化を促したことだろうが、それも本当に悪いことかといえば、わからない。

ある科学者は、このままでは、南極、北極の氷がとけ、地球の水位があがり、かなりの部分が水没するという。また、ある人は、そんなことはおこらないという。

人類初の公害とは、畑であり、田んぼであったそうだ。公害の意味は、事業活動や人の活動に伴って生じる自然および生活環境の破壊、、ということだけど、生活環境をよくするために、定期的に食料をとれる状態にして、そのことは、一部、自然環境を破壊することは否めない。しかし、農業により、人類は増加していくことが可能になった。

害虫、害獣、、、どこまでいっても、ぼくらは、ぼくらに対して都合悪いものを害とするものだ。しかし、たいがい、それらすべてが、循環の中の一員として、なんらかの意味をもっている。 続きを読む

がんばりましょう

病室をひっこして1ヶ月が経った。このひと月、毎日熱発している。そして目があかない。3階から2階にひっこしただけなので、環境についてはまったく心配していなかった。2階のデイルームが広いので、そこに行きやすくなると都合がいいくらいに思っていた。ところが、まったく環境がちがう。コンクリートで出来たビルというのは、階数によって、湿度の状態がちがうようだ。3階ではかんじていなかった湿度が2階にはある。そして、病室のクーラーの調子がわるいのか?あるいは、この湿度との兼ね合いなのか、室内温度が高い。クーラーをつよく設定しても、その状態はかわらない。たぶん、この状況により、体温調節がへたくそな妻は、毎日、熱がでる。

昨日は、37.7度、 今日は、37.8度、目はほとんどあかないのだけど、来た時だけは「あぁ、来たのね」と一瞬目をあけて挨拶をくれる。この体温だと、動きたくはないだろうけど、ぼくがいる間だけでも、車椅子にのせて、廊下にでよう。

そう、部屋の中より、廊下のほうが涼しいのだ。今日は、デイルームでテレビの音声だけをききながら、クーラーの風がくる場所を選んでしばらくゆっくりしていよう。 続きを読む