月別アーカイブ: 2016年2月

面構え

「面構え」・・・今日、妻の顔を見た瞬間に浮かんだ単語がこの単語だった。PCの変換でみると『(悪そうな、強そうな)顔つき』と出てくる。ぼくが感じたのは『強そうな』ということに通ずる、『気丈な顔つき』というところだろうか。

「今日は、体調がよさそうだね!」<パチリ>「面構えでわかるよ、さて、端座位やろうか?」<う>・・・この顔は、、、今日は、首のリフトアップは2回いけそうだなと思いながら、端座位をとった。最初に座る位置調整をして、その流れでまず、首を下に垂れたままにしてみると、ほんの5秒ほどで、軽々と首をリフトアップした。なんとも言えない気分だ。最高。

こういうときは、口に出そう。「最高!こりゃうれしいや。優さんや、かっこちゃんに見せたいなぁ。最高だよ。」・・・澄まし顔で、でもどことなく威張っているよう面構え。

ますます今日は2回いけそうだと思いながら、しばらくユラユラさせながら端座位を続けていた。途中、急に自分から首を前に落としていった。「あぁぁ〜」・・・って、ぼくはつい手が出そうになるところをグッと我慢。そうしたら、ビシッっと自力で、途中で首をキープし、元の位置までもどしてみせた。

面構えもパワーアップしている。・・・何とも言えない、クールなドヤ顔だ。自分で仕掛けて、自分でキープしてやってみせたってこと?すごいな。

発明だ!(◎_◎;)・・・・新しいリハビリを自分で開発、発明しやがった。発明には名前をつけなくてはならない。『一人ノリツッコミリハビリ』・・・ノーベル賞には向いていないネーミングだな。

リハリビリと課題の分離について

最近、知り合いから紹介してもらった天彌(アマミ)という発酵エキスを、経管栄養からほんの少しだけ入れてもらっている。ぼく自身もしばらく試してみてから、腸の調子がとてもよくなったので、これはいいと思って使い始めた。ただし、とても高価で、そのうえ、ものすごく臭い。これが半端ない臭さであるが、胃瘻である妻は気がつかないですんでいる。1日ほんの1mgという量でスタートした。おかげで、腸の状態はここのところ調子のいいようだ。

希釈して目薬にもいいと聞いたので、やってみて1週間。左目が麻痺で、意識的には閉じられないのだかけど、目の充血も今日はすっきりと綺麗になっている。なんだか、顔のツヤも良くなっている。発酵とはすごいものなんだな。院長先生の評価はどんなんだろう?3月のカンファレンスが楽しみだ。

最近、病院滞在時間が短いことが多いが、端座位だけは、ほぼ毎日できている。端座位はだいたい20分程度だから、マッサージと端座位で1時間あれば、なんとかなる。今日の端座位は、眠そうであまり気乗りはしていなかったようだけど「やる?」と聞くと「いいよ」って感じで、瞬きをした。

これは、ぼくの受け取り方なわけだけど「いいよ」って、そう受け取ることにして端座位をした。 続きを読む

アドラーとリハビリ

今日は、いい顔している。いったい何をもって「いい顔」なのか?すぐ言語化はできないけど、クールだけどしっかりした意識をもった目、そして顔の表情筋が気丈なムードを作り上げている。そんな感じだ。もちろん、端座位をすることになった。

エアマットは深めに座るようにしている。一度、まだ端座位にぼくが慣れていない頃、妻のお尻がズリッとなって、あわてて抱きかかえながら、危ないことがあった。問題は何でも慣れかけているときに起こる。もう大丈夫、ぼくは上手に出来ると自信がついてきた頃に、体勢確認をしっかりやらずに、まぁ、大丈夫だろうと座らせた瞬間に大失敗した。心の隙がこういう失敗を生む。もう端座位をはじめて3年になるけど、あれ以来、最初の体勢をしっかり確認し、座った時のイメージを頭の中にもって、スイッと座らせる。

毎日、端座位をするときに、まず座ってからお尻の位置、座る位置を調整する。エアマットのベッドだから、背を立てるときに曲がるポイントがあって、そこを真ん中にして座ると、バランスがいい。この座る位置調整をしているときには、いつも頭は下に向いている。その方が、調整しやすいからだ。そこからいつもは、スイッとぼくが頭を持ち上げるのだけど、なんとなく今日はほっておいた。妻の目つきがいい感じだったから、きっと首に力をいれて、自分で頭を持ち上げるだろうと予感したからだ。案の定、スイッと持ち上がった。たいしたものだ。

ちょっと前までは、大事件だったこの行為は、いまは1週間に2〜3回やる行事へと変化した。 続きを読む

欲望万歳

なんか、最近、力強い目の日が少ない。寒い時期ってこんなんだったっけなぁ?どうも、いまいちだ。今日はコーヒーをもってきて、香りを漂わせたら目を開いて、首をコーヒーのほうに向けた。やっぱり、好きなものの香りって刺激的なんだろうな。半年ほど前に、肺炎をやってから、口からはもうコーヒーを飲ませていなかったから、特に久しぶりの香りだったのだろう。

端座位をして、ほんの1滴だけ口にいれて、顎の下をマッサージして嚥下してもらった。今日は、この1滴だけで我慢してもらおう。誤嚥による肺炎も怖いから、3月のカンファレンスのときに先生と相談してから再開しよう。

端座位をして、背中のマッサージ、脇の下のリンパマッサージ、それからベッドにもどって足の屈伸運動をして、お顔にクリームをつけて仕上げに顔のマッサージをやってテレビタイムだ。白雪姫プロジェクト本を読みながら、基本に戻ろうと思った。端座位とマッサージだけであっという間に1時間は過ぎる。これは一石二鳥。妻もだけど、僕もけっこういい運動になる。

久しぶりのビデオは、家族に乾杯、小栗旬編。目の力が強いというほどではないけど、今日はしっかりと見ている。若くてイケメンが好きなのか?鶴瓶さんが好きなのか?・・・どちらでもよいことではあるが、ま、たぶん前者だろう。いいのいいの、欲望をもっと育てて、コーヒーでも、小栗くんでも、口も目も手も足も、動かす原動力になればいいのだ。家族に乾杯、欲望万歳!

「思い」から生まれるもの

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白雪姫プロジェクトの本が出来上がった。意識障害の方の回復と意思伝達方法についての本で、なんとタイトルが「白雪姫プロジェクト本」・・・このストレートさが、かっこちゃんのすごいところだ。ぼくがこの本を手にとって最初に思ったことは、この場合の「本」は「ボン」と濁らせて発音するのか?あるいは、声に出す場合は「本」の前に一拍休符を設けて、濁らずに「ホン」と発音するのだろうか?・・・なんていうことだった。かっこちゃんの顔が浮かんだ・・・あぁ、きっと、どっちでもいいんだろうな。スッとそんな風に思って、気がついたら笑っていた。

ぼくは専門学校でミュージックビジネスという講義をするときに、「思い」を「行動」に移すことの大切さをテーマに話すことが多い。そもそも「歌」というものは、そうやって出来上がっている。「思い」のない作品なんて存在しないだろう。それがなければ、作品を作るという「行動」はうまれない。 続きを読む

夢の中の日々

今朝方、妻がしゃべり出した夢をみた。夢の中のぼくは嬉しくて病院で叫んでいた。でも妻は「なにが?」って感じで、とても落ち着いていた。僕の中で明確に「声」が聞こえていた。あぁ、この声だとはっきりと感じ取れる声質だった。しばらくして、夢だと気付きながら、夢って音も鳴るんだなぁと思いながら目覚めてしまった。こんな夢なら覚めなくてもいいのにと思いながら、iPhoneをみた。

フェイスブックは、他界した人の誕生日も教えてくれる。そして生きた日々の記録へも、消去されないかぎりはいつてもアクセスできる。今日は松村先生の誕生日だ。思い出すと、感謝とともに、なぜか涙がでる。涙とはなんだろう?

こっちにいれば59才になるが、2年前の5月に旅立った。出会いから、さよならまでのすべてのシーンが目に浮かぶ。最初にお会いした日、それは2010年の5月だった。病院を探しあるいている日々に、会ってくれる方がいるという情報が友人から入り会いに行った。まったく構えたところがなく、フランクに話を聞いてくれる院長先生だった。 続きを読む

高い音楽性と低い腰

目をみた瞬間に、今日は体調がいいとわかった。この目の力というのは、どこで感じるのだろうか?ぼーっとした目、キリッとした目、人は目を通してエネルギーを感じるのだろう。おだやかな光の中で、公園でしばらくまったりとして、いつものデイルームにきた。

今日は目的があってやってきた。スターダストレビューの35周年記念ボックスに入っている、オルゴールを聞かせてから、それから「高い音楽性と低い腰〜メンバーとスタッフが語る35年〜」みたいなオマケDVDを見せるためだ。ベッドの上でももちろんいつも見ているけど、なんかちょっと特別感を作りたくて、デイルームにDVDプレイヤーをもってきて、背をしっかりと立てて、DVD上映会をスタートして、ぼくはその隣りで、このブログを書いている。
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ぼくもとなりで映像を眺めていると、懐かしい顔ぶれがどんどんと出てくる。ぼくがスターダストレビューのスタッフとしてレコーディングを担当したのはシングル「ふたり」という曲から、アルバムは「艶」というアルバムだった。このリリースが1995年5月〜6月だったから、もう21年前のことになる。・・・と、ここで、急に妻がぼくの方を向いて、なんども<う>をやる。なんだろう?・・・<う>をやめない。・・・・あぁ、そうね、あんたいつ出てくるの?ってことかな? 続きを読む

3秒間のコミュニケーション

こんなに目があかないのも久しぶりだ。いつもはがんばって、挨拶だけはしてくれるのだけど、今日はからっきしだ。体温を測ってみると36.6℃、バッチリだ。食後とはいえ、どうしたのだろう?

40分ほどマッサージしていたら、目の周りの筋肉が動いた。あぁ、目を開くかな?と思った次の瞬間、チラリと僕の目を見て、口で<う>をした、と思ったらすぐ目を閉じた。気がついていたようだけど、どうも、力が出ないというところかな。

6年前の2月13日だった。雪がチラチラと降る日だったな。倒れてちょうど6年になる。あの頃は目があかないのが当たり前だった。目をあけるようになってからも、フォーカスはどこにあっているかわからない。見えているのか?どうかもわからない日々が2年つづいた。そんな日々を思い出した。目があかなくて、リアクションのない日々に、ずっと話し続けているのは、バカみたいだと思いながらも、きっと耳は聞こえているだろうと信じながら声をかけていた。まるで壁打ちや、シャドーボクシングみたいだと感じならがも、これも訓練だと思いながら、毎日声をかけていた。

いったい何の練習だったのだろう? 続きを読む

日向ぼっこ&TV三昧

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青空って気持ちいい。桜の枝の光と影のコントラストがかっこいい。風は強めだけど、片側を建物で風を避けられる場所で、日向ぼっこを楽しんだ。寒いかなと思って、早めに戻ろうと声をかけたら、まだもう少しここにいたいということで、空を日差しを30分ほど楽しんだ。さすがに顔が冷たくなってきていたので、デイルームへと移動。

このデイルーム。今日初めて知ったのだけど、いつも空いているのには理由があった。車椅子でデイルームに入って来ようとしていた、入院中の方がいたのだけど、ここにいたスタッフが、入ってはいけませんよと注意していた。そのスタッフの方は、ちょっと作業をしていたから、いただけで、すぐいなくなるようだ。ちゃんとスタッフなり、家族なりが同行していないと、患者さんだけでは入室できないスペースだったようだ。入院6年目に知る新事実だ。そうだったんだぁ。だから、いつも空いているんだな。 続きを読む

30th Anniversary

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1年ぶりにお花を買った。選ぶのに30分もかかった。慣れないことをやるには、時間がかかるものだ。妻は紫色が好きだ。でも、本当はもう少しブルーによった紫が好きなのだけど、その方向のお花のセットは、鉢植えになっていて、根付くから病院向きではないと言われてしまった。実はもうしっかりと根付かせていただいているので、問題はないと思ったけど、店員さんのお気持ちも理解して、ちがうのを探すことにした。結果、きっと可愛らしいと気に入ってもらえて、ベッドサイドにちょこんと(しばらくの間だけど)置いておけるサイズでと考えて決めたのがこの切り花だった。

妻に30年たったよ。はいお花。紫は本当はもっとブルーの紫がすきなんだろうけど、これもいいでしょ?どう?と尋ねると、軽く唇をつきだして<う>・・・OKよ。とサインをくれた。しばらく、眺めていて、そのあとゆっくり目をとじた。昼食後ですこし眠いのだろう。布団が念入りにかけられているから、きっと今朝は低体温だったのだろう。 続きを読む