月別アーカイブ: 2016年1月

6年と30年

今日、夕方病院について、熱があって目をとじていた妻をみながら、なんでかわからないけど、どうも勘違いしていた。妻が倒れてからもうすぐまる5年が経つんだなぁ・・・そして6年目のスタートだと思ってこれまでの事を回想していた。妻の熱を下げるために、アシスノンを背中にいれたり、頭に移動させたりしながら、ベッドサイドで学生たちのレポートをみたりして過ごしていた。

夕飯が終わり、目をあけたので、体温をはかったら35.9℃だった。あら、下がり過ぎた。しかし目が開いたから、端座位する?と確認すると<うん>と瞬きしたので、食後1時間ほど休んでから端座位タイムとなった。そのときに、端座位をしている妻にむかって「早いものだね、倒れたのは2010年2月だったから、・・・・アレ?アレレ?・・・5年じゃないよ。もう6年が過ぎたんだな。へー、へー、へー、なんでだろう?なんで1年間違えてたんだろう?」 続きを読む

感謝、感謝の毎日。

なかなか目があかない日々がつづいている。一昨日はあまり目があかないので、試しに、連続ではあったけど、食わず嫌いを見せてみたら、目がぱっちりした。ようするに、毎日きているだけでは、刺激があまりなくて、目があかないんだな。受けなくちゃいけない授業なんだけど、眠くて目があかないというような感じだろうか。いつも眠っている学生たちにも一理あるということだろう。ぼくも、もっと努力しなくてはあかん。

昨日は髪の毛をカットしてもらったけど、そういえば、この時は目がしっかりと開いていた。髪の毛をあまりカットされたくない妻としては、必死の抵抗を試みながら、首を理容師さんのほうにむけて威嚇してカットを少なくさせるという戦法のようだ。首に力が入るようになってからというもの、カットが以前より大変になった。グラグラだったころは、首のキープを慎重にしないと、折れてしまうのではないかと心配していたから、他人には任せられなかった。今では、動きが激しすぎて、他人には任せられない。なんだ、結局、人に任せられないのはぼくの性格であろうか。 続きを読む

「やる気」と「欲望」

「やる気」は「欲望」から生まれる。言葉のイメージは随分違うけど実は同じなんじゃないかと思う。今日も相変わらずぼーっとしていて、目がバシッとしない。そこで、今日録画してきたDVDの話をしていみる。「今日ね、久しぶりにとんねるずの食わず嫌いもってきたんだよ。広末涼子と小栗旬」・・・と耳元で囁くと、目がギラッっと輝いた。

まじか。。。 続きを読む

贅沢なお昼寝

image
風は冷たいけど、最高の青空と陽射しが降り注いでいる。相変わらず、眠そうな顔だけど、今日は車椅子にしよう。厚手の靴下に、ニットのロングスカートを昼用病院パンツの上からはいて、白黒のチェックの上着を着て、準備万端整えて、車椅子へ移動した。

この病院では、車椅子への移動は、基本的には2人体制で抱きかかえて行う。ぼくは許可をいただいているので、看護師さん1人をお願いして移動する。

妻を車椅子へ乗せる時、背を倒して重心を後ろに乗せすぎて、車椅子の前の車輪がフワァ〜って浮き上がった。その瞬間、妻はビックリして、左足をピーンと伸ばして、膝から下を持ち上げた! 続きを読む

行ったり来たりの季節

ここのところ、眠り姫状態だ。今日は、それでも端座位をやることにした。端座位を20分ほどやってから、テレビタイムにしたけど、また目をとじちゃう。こういう時にはどんな番組がいいのだろうと、鶴瓶さん、、目開かず、、、、志村さん、、、目開かず、、、、フィギュアスケートエキシビジョン・・・yeh・・・ということで、エキシビジョンをみている。それでも、途中、また目がとじたりしている。それで、また首をたててみると、目があくから、刺激をちょくちょく与えながら、ビデオをみてもらっている。

どうも、呼吸というか、痰のからみが体力を消耗させているように感じる。
というのは、この時期の痰は、どうしても粘度が高く、自分の力で咳をして痰を吐き出しても、ネバネバなのでまた、そのまま吸い込んじゃうのだ。こちらが、痰を出てきた瞬間をつかまえて、少しでも取り出してあげればいいけど、それでもやっぱり、吸引してもらわないとスッキリしない。

必然的に、咳の回数が多くなるし、痰を出したいという感覚が継続する。咳をしても、スッキリしない。今もゴロゴロしている。痰がひっかかったままの呼吸もまた、ちょっと不自然で不快なのかなと思う。しかし、頻繁に吸引となると、これはこれで辛いだろう。・・・と、この繰り返しである。はやくネブライザータイムになるといいなぁ。

うーん。やっぱり吸引してもらおっと。 続きを読む

いろいろな毎日

ここのところ、病院にいる時間が少なくなっている。外での打ち合わせが増えているからだけど、リハビリを考えると、バランスは難しい。例えば今日は、顔色からはそんなに調子悪いとも思えないけど、なんだか目が閉じている時間が長い。あ、目を開けたと思って話しかけるけど、レスポンスがないまま、また目は閉じてしまう。

そして、また目を開けた時に、端座位か車椅子か、どっちにするか?訊いてみるけど、やっぱりレスポンスがなくて、理解できない。こんな時は、誰だってベッドでゆっくりしたいものだろう。たぶんね。

こういう日はもどかしいものだ。試しに、横向きマッサージをしてみるけど、どうもだるい顔をしている。背中の腰あたりに熱がこもっているけど、肩とかは少し冷えている。低体温ぎみかも。

体温調整はとてもむずかしい。今日は病院の中も、ちょっと足元が冷たく感じる。来週のきんこんの会に行こうと思っていたけど、やはり、この寒い時期には外出は避けておいたほうがよさそうだ。

伝えたいことはあるのだろうが、どうも体が言うことをきかない。そんな感じだろう。明日は打ち合わせで来れないし、体調とのタイミングで、端座位がとれないことが残念だな。しかし、体温であれば、1時間程度で改善することもある。とにかく、しばらく、お布団を多めにかけて体を温めてみよう。端座位できるといいけど、できない日もまた、共に過ごす日であることに変わりはない。

いろいろな毎日があるということで、まぁ、それもよし。

時の流れ

妻にとって、時間帯というのはとても重要なのだろう。食事の時間があって、処置の時間があって、その中で安定的に目をあけてすっきりと過ごせる時間帯が、午後のひとときなのだろう。今日は昼過ぎに病院にきた、すっきりした顔をして目はしっかりと開いていたけど、食後のこの時間は胃が血液を必要としている分、まだ少し眠たいといった感じだった。

散歩するかどうか、なかなか返事が確定できなかったから、ベッドの背をたててからもう一度、車椅子に乗るか訊いてみた。そうしたら、はっきりと<う>=yesと答えが来た。やはり、寝ている状態より、頭を上にすることで、返事がしやすくなったのかもしれないと感じた。

外は寒くなったけど、日差しがあり、少し公園に出てみることにした。厚着をして日向ぼっこだ。顔だけを木陰にして、身体全体に陽があたるようにポジションを探した。いつもの場所とちがうポジションを探して試してみることにした。妻は、ちがう、あっち、あっち、、、と首を唇でアピールした。・・・そうか、いつものあの場所がいいのね。・・・と、いつもの場所におさまった。

image 続きを読む

本来無一物

本来無一物
中国禅宗第六祖の慧能大師の偈の一節だそうだ。もともとの意味は、禅問答そのもののような、行ったり来たりする、わかったような、わからないような意味みたいだけど、文字を見ただけでシンプルに強く心に染み込む言葉だと思う。

今日は、久しぶりに家族全員が揃った。ちょっと遅いけど、ぼくらの正月だった。孫もやってきたけど、これこそ、本来無一物だと思った。良いとか、悪いとか、性善説とか、性悪説とか、そんなものはなくて、もともと本来無一物だというわけだ。

デイルームをまたもや貸切状態でゆったりとした時間を過ごした。妻は、孫が走り回っている姿を見たり、息子の姿を眺めたり、目をつぶって眠ったりしていた。孫は、何が楽しいのかわからないけど、ひたすらに、テーブルの周りを何十周も走り続けていた。ぼくは見ているだけで、ヘトヘトになった。

たまにやってきて、抱っこしていると、ずいぶんと重くなった。無一物であっても、重量はどんどん増えるのだ。何か口ずさんで歌っている。息子の嫁が、それ何の歌なの?って孫に聞くと「しぇきすいハウス」と答えた。爆笑。そしてまた走る。 続きを読む

楽しみの増やし方

脳幹という部位は、呼吸と体温調節を司る原始的な脳だ。妻がこの状態になるまで、脳幹という言葉は知っていても、それがいったい何をする場所なのかなど、考えたことがなかった。呼吸については、人工呼吸器をつけずに復活した。酸素は送り込んでいたが、自発呼吸でのりきったのだから、まずこちらは問題ないだろう。しかし、担ぎ込まれた当時の病院の担当医によれば、「詳しい%を言うとショックを受けるだろうから言いませんが、脳幹の半分以上が吹き飛んでいます」と説明してくれた。・・・・ショックを受けるのには十分な表現力だな・・・・と思いながら、この言葉を聞いていたことを思い出す。

あの日から、来月で6年になる。
この体温というのは、相変わらず調節がうまく出来ない。今日は発熱していて、、発熱をするときは、気温が高い時に発熱するケースがとても多いように感じる。脳幹という、原始的な脳は、きっと動物として、自然や地球や宇宙と通じているのではないか?

この外気温度を察知して、それに脳幹は反応して、普段は体温調節の指標にしているのかもしれない。そんな風に脳幹は自然と地球と調和して体温調整をするのかな?しかし妻の場合は、半分ふっとんでいるので、どうも上手く行かないということではないか。いやぁ、十分ショッキングな表現だ。おかげさまで、未だに、いったい何%がなくなっているのだろう?と夢に見る。少なくとも僕にとっては、しっかりと具体的な数字を示してくれたほうがスッキリしたなと6年経ってみて思う。 続きを読む

ひこうき雲

image

やっぱり正月は太る。3日間怠惰な生活をしたら、3kgふとった。日本酒、おもち、おせち、どれもこれもしっかりと余すところなくカロリーを摂取させていただいた。さてさて、そろそろ生活をもとに戻していこう。ちょっと重くなった体重を体感しながら、空を見上げたらひこうき雲。今日も妻とお散歩ができた。

車椅子の背をぐっと寝かせて「ひこうき雲だよ。見える?」と訊くと<ウン>と顎を持ち上げて返事をした。「ひこうき雲って種類があるらしいけど、ちゃんと雲なんだってさ。一番単純な基本形は、寒い時に息をはーってすると白くなるでしょ。あれと同じなんだって。」・・・昔、どこかで読んだ、うろおぼえの知識を空を見ながら話した。合っているかどうかわからないけど、妻にとって、そこは重要なことではないだろう。

今日はDVDを何枚かダビングしてきた。元旦にやった瀬戸内寂聴さんの番組を見せたかった。別に特別な意味はないけど、93歳でまだなお精力的に生きている、それだけで勇気を感じる存在だ。妻は気持ちいいらしく、車椅子にのっていたかったようで、テレビは別にいらないと言っていた。しかし、ぼくは何となく寂聴さんの番組を見せたかったから、ベッドにもどして、DVDをセットした。

妻が拒否権を行使するとしたら、目を閉じる。しかし、番組がはじまったらしっかりと画面に集中しはじめた。やっぱり、妻も、寂聴さんの生き方には興味があるようだ。 続きを読む