月別アーカイブ: 2015年11月

散髪と世間話し

今日は朝から散髪。ここは、毎月2回理髪店が入り、予約で散髪できるので本当に助かります。最初の頃は、自分で無理にやってみて散切り頭にしてみたり、知り合いのプロに来てもらったりと、、、散髪との格闘は、とても大変だった。今はこうやって2ヶ月に1度のペースで散髪している。

妻は元々ロングヘアー派で、腰まで髪があった。そのまた以前はいろいろだったけど、15年前に抗がん剤治療で、ハゲ頭になったときから、生還したときから、髪の毛が愛おしくて、その後10年ほとんど揃える程度のカットしかしなかった。そして、その10年したところで倒れてしまった。

最初の病院で、お風呂にいれるのを手伝ったときに、これは髪の毛を洗うだけでも、とても大変な負担を周りのスタッフの方々にもかかると実感して、バッサリと切る決断をした。

当時、まったく無反応だった妻に、この決断をゆっくりと説明して同意を促した。もちろん、無反応だから、どうだったかはわからないけど、ちゃんと丁寧に説明したので、理解してくれただろうと思って実行した。

この病院にきた最初の頃は、首はダランダランで、力がまったく入らなかったので、散髪時に首を支えているのも楽だった。ところが、端座位を初めてから、みるみる首の筋肉が使えるようになっていったものだから、気をぬくと、首をグイッって動かすから、危ないこともあった。 続きを読む

今日も上機嫌 〜連続技:レミニセンス現象〜

今日は、来れないと思っていたけど、午前中の作業が順調に終わって、1時間ほど病院に来れた。やっぱり目は開いているけど37.3℃。まばたき挨拶は、相変わらず、バシッとタイミングがあっている。看護師さんに聞いてみらた、午前中は38.1℃あったらしい。

この時期の病院は全体的に一定の暖房をしているから、外の状態で院内の温度がかなり違ってくる。今日は、すぐ出ていかなくちゃいけないから、車椅子には乗る時間はない。アイスノンをもらって、タオルで包んで、横向きにして背中全体の熱をとる。しばらく熱取りをして、それから端座位をやるかい?と聞いてみると<パチリ>とはっきりした返事が返ってくる。

本当に、どうしたというのだろう?この3日間のリアクションは、素晴らしい。ある日、こんな風に出来るようになるってことが、本当にあるのだな。ぼくはまだ、指だんの○ × さえ出来ないでいるのに、ついに妻のほうが待っていられなくなったようだ。 続きを読む

頭寒足熱空冷法(FRIDAY IN THE PARK)

さて、今日は昨日のようにスムーズに <う> を披露してくれるだろうか?だいたい、人生というのは期待どうりにはいかないもので、そんなことは何度も経験してきているから、今日はまた違う状態になっているかもなと思いながら、病院へ向かった。こんなことを、考えてみても本当は意味はない。そんなことは知ってるけど、さてさて、どっちだろう?

妻の顔をみて、あー、やっぱり、今日は調子わるいのね。・・・と感じた。目はあいている、でもどこかイマイチちゃんなのだ。このイマイチがわかるようになったのが、一つの変化であることは理解しています。以前は、いつだって、調子の悪そうな顔で固定されていたんだからね。妻の顔の筋肉は、無意識に変化することが出来るようになったということだ。

「来たよ。今日はちょっとイマイチちゃんの感じだね」<パチリ>・・・それでも、タイミングよくまばたきで返事をしてくれた。すごいなぁ。この意識的に返事をすることは、とてもエネルギーがいって、とても大変な作業であることは、柴田先生がいらしたときに通訳してくれた。きっと、口を動かすよりまばたきのほうが楽なのだろう。

きっと、この顔は熱があると思って、体温を計ると7.3℃。妻の発熱としては、大したことはない。しかし、こうやって、1日で大きく体温が変化するのは、とても大変だろうと思う。アイスノンで冷やすか?外に連れ出して、空冷で体温を下げるか?妻に選択してもらうことにした。

「どうしようか?ベッドでテレビみながら、アイスノンで冷やしながらゆっくりというのと、車椅子で外で体を冷やすのもいいよ。天気もいいし、木陰と太陽をうまく利用しながら、やるのも楽しいと思うよ。どうする?」<・・・・>

そりゃそうだ。どうする?って質問には答えられない(笑) 続きを読む

端座位式1+1=「3」

ちょっと見ないうちに、すごいことになっている。昨日は、専門学校の講師とそのあとに、打ち合わせ、一昨日は打ち合わせの連続で、病院へ行けなかった。3日ぶりに顔を見る。まぁ、まぁ、な体調だなと思った。

「ごめんねー。端座位毎日したいのに、2日も空いちゃったね。今日はバッチリ時間があるから、端座位も車椅子も両方やろうね!」<う>・・・っと、スムーズに唇を突き出した。「へー、そんなにはっきりわかるように、出来るんだ。今日は、調子いいのかな?」<う>・・・じぇじぇじぇ・・・。じぇじぇじぇである。ぼくは、このくらい、ちょうど忘れられるタイミングで、ガチョーンを使うようなセンスが好きですが、まったく、びっくらぽんです。 続きを読む

見えないけれど

今日は、妻の顔をみた瞬間に、あ、調子悪いんだなとわかった。顔色が悪いわけでないけど、顔がパッとしない。このように感じるということは、やはり妻の顔の筋肉は、表情を表すことに成功しているということだ。倒れてすぐの頃には、このようなことは思わなかった。それがわかるようになった。これは大きな変化が、目に見えないスピードで、連続しているということだろう。

だいたい、こういう時は、発熱か低体温だ。布団がたくさんかかっているから、きっと午前中低体温だったのだろう。それで、布団で熱がこもって、発熱というパターンだな。おでこをさわってみると熱い。体温計は37.2度。やっぱりね。でも、このくらいすぐ下がる。

布団をはいで、病院から小さなアイスノンをもらった。横向きにして、背中を触ってみると、もうとっても熱い熱い。熱が、背中と布団の接地面にこもってしまって、あっちちーあっちー、と思った瞬間に、郷ひろみのGOLDFINGER’99のメロディーが頭の中をよぎった。別にすきでもなんでもない曲なのに、ヒット曲ってすごいな。脳のどこかに、このメロディーが格納されていたってわけだ。 続きを読む

心に映る景色

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風は少しひんやりしているけど、寒いというほどでもなく、気持ちが良い。いつもの公園で、満天星が赤く鮮やかに紅葉している。日々、この色が変化していく。楓の紅葉と青空のコントラストがいい。道を挟んだアパートの敷地の垣根がわりの山茶花の赤の花はすべて散っているけど、白いほうは今が一番元気がいい。ほら、山茶花の花びらは、ヒラヒラと1枚づつおちるんだよ。椿の花は首からばっさり落ちるんだ。知ってた?

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そんな昼下がり。気持ちがいい。

以前は、桜の花見も、紅葉も必死に見せていたけど、今は、自然にゆったり散歩がてらにながめてる。世界が違って見えるほどの違いだけど、本当は、何も変わってはいない。変わったのは、僕自身の心のあり方だけだ。

僕が妻を見守っているのやら、妻が僕を見守っているのやら。

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ことばの力

先日、雨の降る中、柴田先生ご夫妻が、妻を訪ねてくれました。前回お会いしてからちょうど1年ぶりくらいかと思います。この1年に1度の会談は、いつの間にか井戸端会議のような、和やかな、楽しい場となりました。冗談と笑い声と、あっという間の2時間ほどが経ち、病院の面会時間が終わるという、本当に楽しいひと時でした。

柴田先生の来訪は前日の深夜に突然決まったので、この日、ぼくが病院についたときに、妻にすぐに報告しました。「ねーねー、急に決まったんだけど、今日、柴田先生がくるよ!」と声をかけた瞬間に、右目のまわりの筋肉が、クワッククク・・って震えて、それから目を見開きました。わかりやすい、すごい反応。そんなに嬉しいんだなって思いました。

ここからが妻のすごいところです。ビシッと省エネモードに切り替わり、目を閉じて、あとは柴田先生がくるまでスーッと眠りました。おい、おい、ぼくのことは放置プレーかよ(笑) 続きを読む

紅葉狩り

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妻と紅葉を見に行ったのはいつだっただろう。毎年どこかしら行っていた。忙しくていけなくても、高尾だったり、昭和記念公園だったりと、近場だとしても、必ず散歩しにいっていた。今、ぱっと思い出すのは日光沢温泉の景色だ。温泉といっても、山小屋で、夕飯は17時からだった。

いつも一緒に遊びにいく友人夫婦と、日光沢には3度ほど行った。駐車場からゆっくりあるいて2時間ほどだったと思う。ほんの散歩といった感じだけど、なんせ景色がよかった。妻と友人の奥さんは、宿に先に入り、ぼくら男二人は、その上の湿原まであるいた。空と湿原が広がっていて、ぽっかり浮かぶ雲をゆっくり楽しみ材木を渡してある細い歩道を一周して、宿にもどればもう夕飯だ。

山小屋だから、特別なものはないけど、この「ない」ことの中で、風呂にゆっくり入り、酒をのみ、長い夜を楽しむ。そんなある日のことを思い出した。きっと10年くらい前のことだろう。

病院の前にある小さな公園には、コブシ、桜、ハナミズキ、ヤマモモ、百日紅、どうだんつつじ、イチョウ、と春から秋へと季節を感じさせてくれる。今日、歩きで公園側から病院へ入ってくるときに、このイチョウが「今だよ」とぼくに声をかけてくれた。 続きを読む

今はただ、ここにいる。

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今日は、37.3度。横向きマッサージで背中を解放し、小さいアイスノンで背中の熱をとったり、うちわで風を送ってみたり、反対向きで同じことをして、それからアイスノンを頭にして、フィギュアスケートカナダ大会2日目の観戦タイムとなった。羽生くんまでは、すごい眼力で見ていたが、羽生くんがおわって、から力尽きたのか、目を閉じてしまった。

体温を計り直してみると、36.7度。80分程度で0.6度の変化だ。どちらにせよ、ちょっと疲れたようだ。目を閉じたり、開けたりしながら、カナダ大会を見終わった。

「どうする?中国大会もあるんだけど、目があかないね。端座位にする?車椅子にする?」と聞いてみると、車椅子がいいという。あー、どうせ、外に行っても、眠っちゃうんだ。知ってるもんね。眠っちゃうに決まっているもんね。・・・って内心思いながらも、明日は雨の予定だし、今日、外の空気にあたるのはいいかなと思って、車椅子にのせて、外へでた。 続きを読む

風、光、孫、おでん

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爽やかな風、太陽の光は暖かいし、気持ちいい。先日、孫の運動会に行って、録画したムービーやら写真やらを公園で妻にみせながら、ふっと、幸せだなと思う。

面白いもので、これは2つの考え方があると思う。「あー、こいつも来たかっただろうな。運動会はみれないし、なかなか、外出はむずかしいし、かわいそうだな」・・・っていう考え方もある。そして、アホなぼくみたいに「あー、気持ちいい。あ、そうだそうだ、一昨日ね、運動会行ってきたんだよ。それがさぁ、場所は長男の小学校の体育館でサァ・・・・どうの、こうの、あーだ、こーだ。」と言いながらムービーやら写真やらを見せて・・・あー、しあわせ。って思うこともありだと思う。 続きを読む