月別アーカイブ: 2015年3月

風も桜もリハビリも

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なんと暖かい日だろう。暑いくらいだ。妻は今日もやる気満々の顔つきだ。今日は、みなお花見がしたくて、車椅子がかなり出てしまっている。ということは、外は風がつよいからきっとデイルームも満員だろう。横向きマッサージ、端座位をしてから、みなが戻ってくる頃に車椅子にのろうと、計画をたてた。

計画は的中したようだ。車椅子にのせてエレベーターに乗ろうとしたら、エレベーター前に、なかなか乗りこめない3名が車椅子で待機していた。3名があきらめて、他の場所にいったら、すぐにエレベーターはやってきて乗れた。せっかくだから、風が強くても、ちょっとだけ外にいこうと、外に出た。病院のとなりの保育園の建物の西側は、風があまりこない。そこからしばらく花見をした。青空に満開の桜だ。

そして今日も2階にあるデイルームへと向かった。ここからみる桜はすごい。この距離で、この角度で満開の桜を眺める贅沢なひと時だ。それも、ちょうど独り占めの時間だった。風になびく桜は、いつまで見ていても飽きない。不思議なものだ。

エレベーターや、外であった人たちも「桜、満開ですね。」とつい声をかけあう。桜が人と人のコミュニケーションの潤滑油にもなっていく。だから、リハビリスタッフも、みなリハビリの時間を利用して、お花見に出てくる。こうやって桜はリハビリにも一役かっている。

すべてのものは、単独で切り離された存在ではない。障害をもった者もリハビリスタッフも、そして風も桜も、うまいこと繋がっているものなのだな。

青空に桜

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青空に桜、毎年のことながら、まったく気持ちのいい組み合わせだ。
今日は、妻と顔をあわせるなり、すぐに外に連れて行けという指令がやってきた。一応、確認しようと思って「行く?」とゆっくりと尋ねると、かすかに口を横に広げようとした<い>と、しっかりと唇を尖らせた<う>と意思表示をした。それからさらに<う>を3回やった。車椅子にのって、外に行きたい、その気持ちは、<う>を3回やるくらい強い気持ちなんだな。でも<い>は苦手なんだな。 続きを読む

夢見る、お出かけ花見スペシャル

お昼過ぎに病院についた。目はしっかりとしている。車椅子にのるかい?と聞くと、瞬きを2回した。最近の返事は、1位がこの<パチパチ瞬き>、2位が<う>と軽く口を尖らせる方法、3位がかすかな動きだけど縦方向の<頷き>という3種類の意思表示をする。瞬きが一番やりやすいのかな。でも、他の時もあるし、いったい何を基準にやり方を選んでいるのだろう?優さんが来たときに、聞いておけばよかった。とにかく、最近のパチパチ瞬きはタイミングがいい。以前は、ずっとにらめっこになったりして、結局僕がわらって負けだったんだけど、最近はちゃんといいタイミングでパチパチしてくれるからうれしい。

今日はリハビリがあるから、それまで散歩しよう。そうすると、端座位の時間はなくなるから、まずは横向きマッサージをやっておこうと体を横にした。ベッドはもちろん、車椅子にしても、結局、背中は常にベッドが背もたれに接している。この接触面を解放できるのは、やっぱり端座位が一番だ。この背中を解放してあげるという感覚は、ぼくは端座位をしるまで持っていなかった。しかし、端座位を知ってからは、背中を解放しなくちゃと、いつも思うようになった。

端座位をゆっくりやっていると、外でゆっくりできない。また疲れると、リハビリに差し障りがあるかもしれない、だから、今日は簡単に横向きマッサージで、背中の解放をしてから、車椅子にのろうと思って、横向きマッサージをすることにした。マッサージしようと背中に手をいれると、ビックリするほど背中が熱い。計ったわけではないけど、ぼくの感覚では50度くらいあるんじゃない?ってくらいに熱がたまっていた。ベッドに常に背中が接触していて、その上、妻の脳幹はうまく体温をコントロールすることが苦手で、その上寝返りが出来ないということは、こうやって熱がこもりやすいのだろう。

それにしても、熱い。横にむけて、服の中に風をいれて、パタパタしながら、背中から熱をとっていった。右向きを7〜8分、そして左向きにして同じく7〜8分やっていたら、背中の熱は下がり、普通の体温の感じとなった。体温調節が苦手なのに、これが暑い時期の発熱の引き金になっている可能性は高いと思った。自分で寝返りがうてたら、いいのになぁとつくづく思うけど、そう思ってみてもはじまらない。2時間に一度の体位変換はありがたい。とにかく、こうやって、背中の熱をとってから車椅子にのってお外へGO!
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気合入れすぎて空回り

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日向はポカポカ陽気で心地良い。妻と久しぶりに公園に出た。真っ先に目に入ったのはコブシだ。この時期の花は、先ず花が咲き、葉っぱは後から出てくることになっている。春が来たぞと言う分かりやすいサインだ。イントロとして、梅、桃くらいから始まり、コブシ、木蓮、と印象を広げて、サビはサクラとなり、大サビは桜吹雪である。なかなかいい構成だ。

と、このでお優さん登場!今日の大サビがやって来た。公園でしばらく指談でおしゃべりしてた。冬は寒いから、低体温が怖いから外出したくないと、安全策をとってきたが、もうウズウズしていて、早く外出したいと本音トークが始まった。

・・・とここまでは、昨日、リアルタイムで書いていた文章なので、すべて昨日の話。さて続きです。 続きを読む

あくび

本日の体温5.8。ちょっと低めだな。でも目つきはいい感じだ。看護士さんと話をしてみても、昼間からしっかりと起きていて、アイコンタクトも力強く、頷きもあり、しっかりとコミュニケーションをとろうと対応してもらっていますということだった。うれしいな。夕方の着替えを終えてから、20分ほど端座位をしながら、いろいろな話をした。

妻が昨日の夜、大きなあくびをした時に、実は声をだした。「あー」と、ひと声0.8秒ほどの出来事だった。しかし、その「あー」はものすごく力強く、しっかりとした声だった。もちろん、偶然の出来事だ。しかし、いろいろと考えてみると、こうやって 「出来ない」→「出来る」に変わってきたのが、この5年の経験である。

そもそも、あくびを目撃したことは、この5年のあいだに、たぶん5回くらいしかない。 続きを読む

白雪姫と出会って、あっという間の2年でした。

このブログも気がつけば、もうすぐ2年が経ちます。2年前の3月21日に高幡不動でのかっこちゃんの講演にいってから、かっこちゃんとのメールのやりとりがはじまり、ブログを書くように勧めていただき、3月28日から書き始めました。ブログを書くということは、心の中のことをそのまま書くので、ちと恥ずかしい気持ちがありました。そかし、そこを書かないと、同じ状況で病気や障害と向き合いながら生きている方々への参考にもならないし、ましてやエールにはならないと思い、思いのままを書くように心がけました。だから、ひねくれ者の感性もそのまま書いてきました。

なんていうか、どうしても、人に誤解を与えるのではないか?とか、こんな風に、あんな風に思われたらどうしよう?などと気を付け始めると、何も書けなくなってしまうので、気をつけないことを心がけて、へそはまがったまま、視線も斜めのときには、斜めのままで書いてきたこの2年間です。

面白いもので、こうやって、毎日のように書き続けるということは、その時の思いをそのまま書くしか手段がありません。かっこつけようと思っても、そんなに簡単に人間はかっこよくなれないのです。かっこよくなりたければ、日々の鍛錬やら修行が必要なのですが、鍛錬とか修行とかをしっかりしていれば、そもそもこんなにお腹は出っ張りません。そういうものです。 続きを読む

100人目の彼女

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「完走」という単語があるのに「完歩」というのはない。「閑歩」はブラブラ歩くことだし、「緩歩」はゆっくり、ゆったり歩くことだ。「簡保」じゃ簡易生命保険と、どんどん遠くなる。「踏破」というほど大変な道のりではない場合、どんな言葉を使えばいいんだろう?色々考えてみるが「完歩」くらいしか思いつかない、というか、このくらいマヌケな感じがピッタリとくる。

2年ぶりに19kmを「完歩」して、到着したところで目にはいったのが、どこかの娘さんのジャンプの瞬間だった。

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お出かけの季節

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昨日は、新しく担当になった理学療法士さんのリハビリを見学した。僕はカンファレンスのときに、前任者ががんばってくれて、首の力がずいぶんとついてきたので、この首のリハビリは引き続きお願いしていた。まずは、訓練するまえに、首と肩の筋肉をほぐしはじめてからだ。

この後頭部、首、肩へのマッサージはものすごい気持ちがいいようで、しばらく見ているうちに、うす目の隙間から見える黒目は上に上がっていき、顔の筋肉がゆるみ、口が半開きになっていった。これはすごいテクニックだ。そもそも、口を開けることが苦手な妻の口がゆるんで半開きになるとは、これは、すごいことだ。

ただ、問題は、気持ちがよすぎて眠ってしまったということだ。 続きを読む

欲張りで行こう!

今日は早く病院に行きたくて、午前中にもろもろ用事を済ませて病院に向かいました。なんとなく、とてもいい予感がしていて、、、、というかまぁ、ぼくは単純なものだから、おとといの夢のイメージが鮮烈で、それによる自己催眠みたいなもので、ウキウキしていたのだろうと、自己分析をしながらも楽しい気持ちで病院に到着した。途中でスタバのアイスラテを買って、ベッドサイドに到着するなり妻の顔に近づけて、コーヒーの香りをかがせた。きっと飲みたいと言ってくるにちがいないと思っていたら、案の定、目でコーヒーを飲みたいというサインが送られてきた。

なぜわかるのか?そんなことは、わからない。 続きを読む

夢をみた

昨夜は11時過ぎにはもうベッドにはいり眠りについた。朝6時半までぐっすり眠った。こんなに連続して、深く眠れる日はあまりない。しかし、本当は少しだけ夜中にうっすらと起きたのだけど、それが何時なのかはわからなかった。起きたのか?夢の中で起きたのか?よくわからないけど、不思議なことに、朝起きてからもハッキリと覚えている夢をみた。

妻が笑っている夢をみた。その笑顔は今でもはっきりと覚えている。口を結んだままにっこりと口角を引き上げるタイプの笑顔だった。夢の中のぼくはビックリして後ろを振り返った。たぶん、そこは病院で、この笑顔を誰か看護師さんが見てくれていないか?この喜びを共有できないか?ととっさに振り返った。ここからはうろ覚えだけど、たぶん、誰かがいて、「ね、笑顔みました?笑ったんですよ。笑顔をみてくれましたか?」って、喜びながら声をかけているところまでで、ぼくの記憶は途切れている。

こんな夢は初めてだ。そもそも、妻が夢に出てくることもそうあることではない。それも、笑顔でだなんて、とても素敵なプレゼントのような夢だった。あの笑顔は、すべてを理解している笑顔だった。すべてを飲み込み、包み込むような笑顔というのがあるとすれば、あんな笑顔だろう。あんな笑顔をぼくは見たことがない。

妻が元気な頃だって、あんなに優しい笑顔はみたことがない。そもそもあの笑顔は、ぼくの記憶にある妻のそれより上品だ。口を開けて、歯を見せて笑うというのが笑顔の基本だろう。それを、口を結んだままだった。しかし、いい夢をみた。本当は今日、病院へ行きたかったけど、打ち合わせが3本立て続けに入っていて、今日は病院へ行けなかった。明日は病院へいこう。

笑顔を期待しすぎてはいけないけど、そんな夢を見たっていう話くらいしてもいいだろう。明日は病院へいこう。