風力車椅子

ちょっと熱がある様子だったけど、車椅子にのった。外でアイスをたべようと1Fの売店にきたら、売店の休み時間だった。外を見ても、風は強すぎると話をしているところに、院長先生がやってきた。

「西嶋さん、久しぶり」
「いつも、お世話になっています」
「ここのところ、反応が出てきましたね。」
「ありがとうございます!首も自分で持ち上げるし、いろいろ反応があります」
「良かったですね〜」・・・と、ここに院内のPHS電話がかかってきて、会話は終了した。

いやぁ、うれしい。正直、反応は、倒れた3ヶ月後にはあると感じていたし、そのレベルはどんどん改善していっている。しかし、看護師さんたちに認めてもらうまでにも、5年はかかった。もちろん、正式に、医者であり、院長である先生としては、この判断は、かなり客観的であり、自発的な反応で、その状態が継続的であることを確認しないと、このような言葉は家族にかけられないだろう。

保証はできないことだし、また、期待させすぎても、いけない。立場とは難しいものだ。

そんな慎重である院長先生が、はっきりと「反応」について、話しかけてくれた。
これは、うれしい。

リハビリに効果があったという判断ができるれば、リハビリの継続は可能だろう。時間数をもどしてもらえれば、それはうれしいけど、時間数の問題より、現状を継続してもらえることのほうが大切である。効果がなければ、リハビリはやる必要がなくなる。そして、この病院にいることはできなくなる。この「反応」を確認してもらえたことは、とても大きなことだ。妻は、この病院にいれる権利を自力で手に入れたようだ。たいしたものだ。

しばらく、デイルームですごして、売店の休憩がおわった時間に、アイスを買って外へ出た。外は強風だけど、風はカラッとしている。病院の中だと注意される可能性もあると思い、こっそり公園で、喫煙・・・じゃない、ハーゲンダッツをなめている。学校でタバコをすうほどの緊張感はない。ましてや、甘い後味には幸せこそ感じても、後ろめたさは残らない。

車椅子の背で風をうけると、車椅子が走り出す。風力車椅子とはカッコイイ。風もぼくらの背中を押してくれている。まぁ、こんな強く押さなくてもいいんだけどね。


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